1.11.2015

新年会、誕生会、安達太良山(後編) -2015.1.3~4 山頂へ





⋅⋅⋅⋅⋅⋅二日目⋅⋅⋅⋅⋅⋅



朝食はお喋りに夢中になった
隣席の地元の女性と
安達太良はいろんなコースがあるから
たくさん登りに来てねって
特に渓谷沿いの塩沢ルートは
静かで、紅葉が素晴らしいからと
(冬期は登山禁止になっている)
その方は初登山が安達太良で
「この世にこんなに美しい場所があったのか」
と思ったそう



食事が終わる頃
その女性と同パーティの男性が
「峰の辻で様子見るか」
と言っていた
残念だけど今日も真っ白だろうな
風は弱くなっている
いち早く出て
踏み跡がさらわれた道を歩きたい
Hiさんの出発準備は、
文字通り朝飯前だったけれど
わたしは
「温泉に入りたい!」



仲間はフル装備で待ちぼうけ
「すぐ出てくる」
と言ったものの
しっかり朝湯を楽しませてもらった
風呂を出て
荷物を取りに部屋へ行けば
「あら、お風呂入ってきたの笑」
同室の女性が驚き笑う



ようやく出発
はじめは岩や木が顔を出している
視界が悪くなければ大丈夫



そのうち








真っ白な空間へ
スノーシューを履いた男性二人が
「目印が見つからなくて」
と引き返してきた
そこから先は足跡が消えた
立ち止まり注意深く探すと
竹が刺さっているのがわかる
見失わないよう進む





峰の辻



ここで湯を飲んでいると
4人組が足なみ揃えて先へ
その姿はすぐに霞み消えた
GPSと地図を確認する
昨年はここを過ぎたあと外したが
今日は行けるね



凍てついた岩が現れはじめ
目印の竹もよく見える
山頂までの道標が出てきて
お〜、きたきた








傾いた標識を確認
(この辺りは凍結箇所もあるため
その日のコンディションにより
アイゼンをおすすめします)








山頂の岩場
どこを眺めても真っ白だな〜〜
色と形があるのは
先行4人組の誰かが置いたか
雪に埋れた小さな祠の前に
みかんひとつ



眺望は次回にとっておこう
焦らすね、安達太良山



下山は来た道を戻ることに
どこを見ても雪がいっぱい
下りながらはしゃぐ








はしゃぐ








いい歳こいても、はしゃぐ








滑落ではありません。笑
ソリで滑ってます





⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅。



キャアキャアと
小屋前の斜面でしばらく遊んだ




そのまま下りても良かったけど
「温泉入りたい⋅⋅⋅⋅⋅⋅」
またかよ、とは言わず
今度はHiさんも入ることになった
そういえば昨年
山頂へ至らず戻ってきて
小屋で休憩させてもらって
小屋番のイトウさんが
「またくればいいんだヨ」
お茶菓子をくれた
そのあと、
わたし達が崩れたケーキを広げたら
ローソクに火をつけてくれて
「誕生日のお祝いだあ。
温泉入ってけ〜
下に着くまでポッカポカだぞお」
なんとも嬉しい贈りものだった 
チェックアウトの時間を過ぎていて
本当なら温泉代と暖房費が必要
もちろん金の問題ではない
こんなに優しい小屋番さんがいるのかって、
驚いたものだ
「カレーは何を入れてるのですか?
美味しいから」と訊いたら
「愛情だヨ〜」
ありがちな答えだが
納得させられた正解



今年はイトウさんにお会いできず
別の小屋番さんも
あたたかいお二方だった




さて
これでもか、と温泉に浸かり
出てきて最後の身支度
小屋の常連さんには
「また来年」とご挨拶




小屋を背に歩く
あられが舞って
積雪の上に落ちた粒は
さらさらと砂のよう
掌ですくうと軽やかに転がる
そうだ、わたしは
あられが降る日に生まれたと聞いたよ



ゆっくり標高を下げて
樹林帯は湿った雪に







そして麓の町は雨だった




安達太良、くろがね、雪の宿
この時期とっておきの贅沢
きっと良い一年になる
素直に思えるすてきな旅



2015年
みなさんも
素晴らしい一年になりますように







0 件のコメント:

コメントを投稿